メディカルジャーナリズム勉強会

オンラインサロン特別編『近藤誠』を語る~見えてくる医療の課題~を11/26に視聴しました。今年8月に訃報が伝えられた「患者よ、がんと闘うな」などの著作で論議が引き起こされた医師、近藤誠氏について、ジャーナリスト・医師・サバイバーなどが意見を交わす企画でした。何が語られるのかドキドキしましたが、記憶に残ったのは「がん治療は人生観だ」ということでした。「がん難民」について考える機会となり、代替医療へ向かう心理状態や人生の基本的姿勢によって、それぞれのチョイスにはバリエーションがあるのだと分かりました。メディ勉では代替医療に患者が行かないようにするには何が必要なのか?との議論にも及びました。
 折しも11月末~12月初旬、日経新聞記事「医療・健康」に緩和ケア医でがん闘病中の山崎章郎氏の連載がありました。山崎氏は「がん難民」を支援する選択肢に思いを巡らせ「共存療法」に辿りついたそうです。代替療法の中にはエビデンスはないが理論的な取り組みがあると知って山崎氏自身が体験し「ステージ4の緩和ケア医が実践するがんを悪化させない試み」(新潮選書)を出版されました。山崎氏のがんは増大することなく縮小状態を維持し「共存療法」を実現されたとのこと。臨床試験は「生命倫理委員会」の承認を待って公表されるようですが、山崎氏は「がん共存療法」が「がん難民」の力になれるよう残された日々を歩み続け、それが自身の生きる道であると連載を締め括られていました。
♡「患者よ、がんと闘うな」の近藤誠氏を語る会で刺激を受け、緩和ケア医山崎氏が当事者として到達した「がん共存療法」の記事に接して分かったことは、代替療法は自分次第、やはり「がん治療は人生観だ」の一言に尽きると納得が行きました。緩和ケアに関わる臨床心理士としてもメディ勉はこれからも目が離せません♡